ドル円FX敗残兵の戦後

ドル円で借金を作った人のその後の人生を追います

最後かもしれない旅行

週末彼女と温泉に行った。

敗残する前から行こうと言っていた温泉旅行だった。

グルメを楽しんだり、お花が綺麗な公園に寄ったりしながら温泉宿までのドライブは本当にたのしかった。

温泉や夜のご飯も堪能し、他愛もない会話で夜更かしして、もう一回お風呂に入った。


出来るだけいつもと同じように振る舞ったつもりだった。

実際一緒に居ると色んなことを忘れて楽しめた。

私は借金のことは何も言っていないが、今回の旅はいつも以上にお金を出してくれたように思う。

彼女なりに何か感じ取ったのだろうか。

それとも単に普段多めに出してる私へのお返しだったのだろうか。

そしてほんとにちょっとした気遣い、例えば缶コーヒーを買ってくれたり、運転中自分も眠いのに頑張って話しかけたりしてくれるのが愛おしく感じた。


そんなことを思い出して、夜、1人残された少し肌寒い夜の露天風呂でちょっとだけ泣いた。


以前含み損を抱えていた時に、このマイナスポジションがなくなったら結婚を切り出そうと考えていた相手だ。


悲しませるのは心苦しい。

死ぬことになったら嫌われなければならないだろう。


帰り道で次は海に行こうと提案された。

断りきれず予定をたててしまった。

もしかしたら私はその日にたどり着けないかもしれないのに。

帰宅後、長距離ドライブで疲れていたのに、助手席で楽しそうに観光名所を調べる彼女を思い出して中々寝付けなかった。


なんとか生きたい。

やれることはやってみようと思う。